超大国インドの人口や年齢構成、言語、政体をはじめ、インド国内の在留邦人数、在日インド人数などをまとめて紹介しています。コロナ後の制限措置や隔離措置などの最新情報も掲載しています。
概要
コロナ後の状況
●感染者の動向・ワクチン接種状況
累計感染者数 32,737,939
ワクチン接種数 634,381,358
●日本・海外からの入国制限
レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)
●制限措置・入境後の隔離措置等の概要
・日本からのインド入国の際、出発時刻の72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書を事前にデリー空港HPにオンラインで申請・承認されれば隔離措置が免除される。代わりに14日間のセルフモニタリング(検温、マスクの着用等)を行う。
●航空
再開はインド国内の国内線のみ
日本からの定期便は、2020年3月22日から一般国際旅客便の着陸停止。
日本からの臨時便・特別便は下記の通り。
JAL:羽田⇔デリー、成田⇔ベンガルールで臨時便を運行
ANA:羽田⇔デリー、成田⇔ムンバイで臨時便を運行
Air India: 成田⇔デリーで臨時便を運行
Vistara:羽田⇔デリーで2021年6月16日から臨時便を初就航
モディ政権はパンデミックを抑えるために、2020年3月末から、公共交通機関の停止や警察による外出の取り締まりなど、厳しいロックダウン(都市封鎖)を実施した。都市の出稼ぎ労働者が地元に帰れなくなるなどインドは大混乱に陥った。一時的に失業率は20%を超え、大都市がある地域では40%以上もの失業率を記録している。ロックダウンにより2020年度の経済成長率はマイナス10%前後になると予想されている。厳しいロックダウンにもかかわらず、新規感染者数は増え続け、1日あたりの感染者数、死亡者数が世界一になる日もあるなど苦しい状況が続いた。
出典:
日本貿易振興機構
インド経済大全
正式国名
インド共和国 Republic of India(Bharat Ganarajya)
国旗は、サフラン・白・緑の横三色に中央に「アショーカ・チャクラ(Ashoka Chakra)」という法輪を配している。サフランはヒンドゥー教、緑はイスラム教、白は 2 宗教の和解とその他の宗教を表す。
出典:
国際協力銀行
人口
13億6,641万人(2019年世銀資料)
総人口は、世界第1位の中華人民共和国に次ぐ世界第2位である。
出典:
外務省
言語
連邦公用語はヒンディー語。他に憲法で公認されている州の言語が21ある。
割合の多い順に、ヒンディー語41%、ベンガル語8.1%、テルグ語7.2%、マラティ語7%、ウルドー語5%など。補助公用語は英語、連邦公認の地方公用語は21言語ある。
・アッサム語(アッサム州)
・ベンガル語(トリプラ州、西ベンガル州)
・ボド語
・ドーグリー語
・グジャラート語(ダードラー及びナガル・ハヴェーリー連邦直轄地域、ダマン・ディーウ連邦直轄地域、グジャラート州)
・ヒンディー語(アンダマン・ニコバル諸島連邦直轄地域、ビハール州、チャンディーガル連邦直轄地域、チャッティースガル州、デリー首都圏、ハリヤーナー州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ジャールカンド州、マディヤ・プラデーシュ州、ラージャスターン州、ウッタル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州)
・カンナダ語(カルナータカ州)
・カシミール語
・コーンカニー語(ゴア州)
・マイティリー語
・マラヤーラム語(ケーララ州、ラクシャディープ連邦直轄地域)
・マニプル語(メイテイ語) (マニプル州)
・マラーティー語(ダードラー及びナガル・ハヴェーリー連邦直轄地域、マハーラーシュトラ州)
・ネパール語
・オリヤー語(オリッサ州)
・パンジャーブ語(パンジャーブ州、デリー首都圏)
・サンスクリット語
・サンタル語
・シンド語
・タミル語(タミル・ナードゥ州、ポンディシェリ連邦直轄地域)
・テルグ語(アーンドラ・プラデーシュ州)
・ウルドゥー語(アーンドラ・プラデーシュ州、ビハール州、デリー首都圏、ジャンムー・カシミール州、ジャールカンド州、ウッタル・プラデーシュ州)
出典:
外務省
宗教
ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%(2011年国勢調査)
人口の79.8%をヒンドゥー教が占めている。この他は、イスラム教が14.2%、キリスト教が2.3%、シーク教が 1.7%、仏教が 0.7%、ジャイナ教が 0.4%と続く(2011 年国勢調査)。その他の少数派の宗教もコミュニティを持ち、政党を結成したり商売におけるネットワークを築いたりしている。
ヒンドゥー教
ヒンドゥー教はインドにおける民族伝統と強い結びつきを持ち、他宗教との垣根が低い。例えば憲法において、シーク教、仏教、ジャイナ教の信者もヒンドゥー教徒として扱われると定められている。ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマーの3大神に象徴される多神教で、不殺生や牛の崇拝などを宗旨とする。
イスラム教
イスラム教は、ジャンム・カシミールやラクシャディープなどの州・連邦直轄領で多数派を占める。近年は増加傾向にあり、同国はインドネシアに次ぐ世界第2位のイスラム人口を抱え(2015年)、2060 年のインドのイスラム人口は 3 億人以上に達するとの予測もある。
キリスト教
キリスト教は、旧ポルトガル領のゴアを中心に、北東 3 州(ナガランド、ミゾラム、メガラヤ)やマニプール、ケララなどに多く見られる。シーク教は 16 世紀に創始された宗教で、総本山があるパンジャブに集中して見られる。富裕層に信者が多く、マンモハン・シン前首相も、パンジャブ出身のシーク教徒である。シーク教は一神教で、カースト制を否定し輪廻転生を認めている。
仏教
仏教は同国起源の宗教であるが、13 世紀初頭にイスラム教徒の侵攻によって没落した。現在信者が多い地域はカシミールやネパールとの国境付近などにとどまる。ジャイナ教も仏教同様、同国を起源とする最も古いインド宗教の一つである。あらゆるもの全てに霊魂の存在を認め、身体的・言語的・心理的暴力を否定している。
ゾロアスター教
その他の宗教としてゾロアスター教がある。インドではゾロアスター教徒は「パールーシー」と称され、ムンバイやプネなどに集中している。裕福で教育・文化レベルが高く、ネットワーク意識が強いことも特徴的である。同国最大の財閥であるタタ・グループは、パールーシーの一族によって運営されてきた。
宗教が消費活動に与える影響は大きい。食と宗教についてみると、多くのヒンドゥー教徒は宗教上の理由からベジタリアンである。牛の屠畜はケーララ州とウェストベンガル州を除いて禁止されており、北部・西部・南部インドの多くの家庭ではノンベジタリアン食を自宅で調理しない。肉や魚介類の消費が限定されてしまう要因は、宗教だけではなく、輸送機関が発達していないこと、冷蔵設備も不十分であることも大きく関わっている。近年、欧米化の影響を受け、若者を中心に伝統的な宗教上の習慣に固執しない傾向がみられ、鶏肉を中心にノンベジタリアンの料理が今まで以上に受け入れられてきている。
出典:
外務省
国際協力銀行
インド市場と市場開拓(日本貿易振興機構)
民族
インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族など。
同国の人口の大半を占めるのが、インド・アーリア人である。続いて、ドラヴィダ人、モンゴロイド人と続く。様々な民族による侵入・定住の歴史の中で、少数民族を含めた多様な民族が存在し、インド人の多くが混血となっている。インド・アーリア人は、中央アジア方面からインド北部に侵入してきたアーリヤ人がルーツである。一方、ドラヴィダ人は古代からインドに定住していた先住民である。インド・アーリア人の侵入を経て、現在では主に南部に居住している。モンゴロイド人は中国やチベットとの国境付近に見られる。
出典:
外務省
国際協力銀行
政体・内政
政体
政体は共和制。2004年の第14回下院議員総選挙に引き続き、2009年の第15回下院議員選挙でも、与党コングレス党を第一党とするUPAが過半数を確保。第2次UPA政権が発足。
2014年4月から5月に行われた第16回下院議員総選挙では、インド人民党(BJP)が単独過半数を超えて大勝し、インド人民党(BJP)政権(ナレンドラ・モディ首相)が発足。
2019年4月から5月に行われた第17回下院議員総選挙でも、インド人民党(BJP)が単独過半数を超えて大勝し、インド人民党(BJP)政権(ナレンドラ・モディ首相)が継続中。
統治機構
インドは連邦国家であり、28の州と9つの連邦直轄地(領)によって構成される。
連邦直轄地は、文字通り連邦政府の管轄下にあるとされるが、9つの連邦直轄地のうち規模の大きいデリー首都圏とポンディシェリの2つには独自の議会や政府があり、州に近い権限を有している。
出典:
外務省
インド経済大全
年齢構成
2017年の平均寿命は69歳と推定され、年齢別の人口構成をみると、若年者人口の比率が高く、25歳未満の人口が全人口の45.2%を占める。若年層中心の同国の人口構成(2018年)は富士山型である。
長期的(2050年)には人口ピラミッドも釣鐘型となるが、将来に亘って豊富な労働力が供給されるものとみることができる。
出典:
国際協力銀行
インド在留邦人数及び在日インド人数
インド在留邦人数
10,294人(2019年10月)
在日インド人数
40,202人(2019年12月)
出典:
外務省